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2021年7月14日

リアルテックホールディングス、原子力機構発ベンチャーのエマルションフローテクノロジーズへの出資を実施

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 リアルテックホールディングス株式会社(所在地:東京都墨田区、代表:丸幸弘、永田 暁彦)が運営するリアルテックファンド*は、原子力機構発のレアメタルリサイクルベンチャーである株式会社エマルションフローテクノロジーズ(本社:茨城県那珂郡東海村、代表取締役:鈴木裕士、以下EFT社)へ投資を実施したことをお知らせ致します。EFT社は今回の調達資金をもとに、革新的レアメタルリサイクル技術エマルションフローの研究開発を進め、使用済み電池などの「都市鉱山」からレアメタルを回収し高品位の素材としてハイテク産業に返す「水平リサイクル」の実現を目指します。

■企業概要

 ハイテク産業に必要不可欠なレアメタルは輸入に頼らざるを得ないために供給が不安定であり、ひとたび供給不足を生じれば世界の脱炭素社会の推進に甚大な影響を及ぼします。特に、昨今のカーボンニュートラルの流れから、電気自動車の普及に伴うレアメタルの不足か確実であり、その安定的なレアメタル資源確保が課題となっています。そのような状況下、高効率なレアメタルリサイクル技術の確立が急務ですが従来技術では実現困難でした。
 EFT社の創業メンバーの一人である長縄CTOらは、原子力機構における研究活動の過程で偶然に発見した「水と油が細かくよく混ざりながらもきれいに分離する」という物理現象から、新しい溶媒抽出技術「エマルションフロー」の開発に成功しました。一般的に溶媒抽出は、液相どうしを「混ぜる・置く・分離する」という3工程を必要としますが、エマルションフローは「送液のみ」の1工程で、これら3つの工程をすべて同時に行うことができる革新的な技術です。そのため、従来技術の低い生産性、高い処理コスト、低い純度といった課題に対し、低コストで高効率に高純度な元素分離を可能にします。
 今後、EFT社は、エマルションフローを活用したレアメタルリサイクル事業と、エマルションフロー技術の普及を目的としたトータルサポート事業を展開し、将来の脱炭素社会の実現に不可欠なレアメタル資源の将来にわたる安定供給に貢献します。 ​

■資金調達の目的と使途

 EFT社は現在、第五世代のエマルションフロー装置の開発を進めています。今回の資金調達で得た資金により、第五世代のエマルションフロー装置のスケールアップ開発等を実施し、レアメタルリサイクル事業とトータルサポート事業を推進していきます。 ​

■担当者コメント

 昨年11月にリバネスが主催する茨城テックプランターで初めてプレゼンを聞いたときに、創業メンバーの熱意と技術・ビジネスのポテンシャルに圧倒されました。それから半年間の創業支援を行い会社設立し、このたび出資させて頂く運びとなり感慨深く思います。脱炭素社会の実現に不可欠なレアメタルの安定供給に向けた同社の挑戦をリアルテックファンドは全力で支援してまいります。
(リアルテックホールディングス株式会社 グロースマネージャー 小正 瑞季) ​
*正式名称:「リアルテックファンド3号投資事業有限責任組合(通称:「グローカルディープテックファンド」)

各社概要

■株式会社エマルションフローテクノロジーズについて

  • 設立年月:2021年4月
  • 所在地:茨城県那珂郡東海村大字白方2番地5
  • 代表者:鈴木 裕士
  • 資本金:4550万円
  • 事業内容:
    • エマルションフロー技術を活用したレアメタルリサイクル事業
    • エマルションフロー技術に関するトータルサポート事業
    • エマルションフロー技術に関する新規開発事業

​ ■リアルテックファンドについて

リアルテックホールディングス株式会社が、自社ならびに子会社の合同会社リアルテックジャパンを通じて管理運営するベンチャーキャピタルファンド。地球や人類の課題解決に資する革新的テクノロジー(リアルテック)の社会実装に取り組んでいます。 ​

■リアルテックホールディングスについて

リアルテックホールディングス株式会社は株式会社ユーグレナと株式会社リバネスの合弁企業です。私たちは、リアルテックの生みの親である研究者とその社会実装に命を懸ける起業家と共に、より良い未来を創造します。「リアルテック」とは、地球や人類の課題解決に資する研究開発型の革新的テクノロジーであり、世界を変えるのは、いつでもリアルテックであると信じています。
HP: https://www.realtech.holdings

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